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「ああ、俺には勿体ないってか?よく言われる」
テンプレなやり取りに苦笑いすると、吉武は少し眉を寄せて、口を開いた。
「そう、は思いませんけど。ちょっと意外だなって。
なんだか派手な感じの人だったから」
「……派手ってタイプでもないけどな」
はるひちゃんは意外と倹約家だし。小物類にブランド品を買うことはあるけど、大切に長く使ってる。
付き合い出した頃はお金がかかる彼女に違いないって思い込んでいたけど。そんなことはなくて。
ラーメン屋の餃子だって「美味しい!」って喜んでくれるような気さくなタイプだった。
(……ただ、誕生日はまずかったよな)
この前泣かれたことは未だに胸に重いし。そのあとのケンカも拗れたままで。嫌われてたらどうしようって焦りが募る。
「でも。すごくモテそうな人ですよね。
あの会社、男性も多いし心配になりませんか?」
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