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間宮某さんの出身校の話題で盛り上がる、香住と萌子の会話をぼんやり聞きながら、グラスの中でカランと音をたてて溶けかけている氷を見つめた。
時間と共に小さく消えていく小さな氷は、不安定で儚くて、このままじゃ生ぬるい水になるしか先がない。
(……だから、仕方ないんだよ)
上を見たって仕方ない。
人の幸せを羨んだって仕方ない。
今さら愛情の確認も出来ないくらいに、なあなあな、穴の空いた靴下をはいた男と交際6年目でなんとなく結婚。
所詮、これが私の現実だ。
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