きっと、明日へ。

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私が初めて飼育委員になった、5年生の1学期。 卵がかえって、クロはお父さんに、ココはお母さんになった。 結局ヒナは死んでしまったけれど、 私は生命の厳しさ、そして素晴らしさを学ぶことができた。 5年生の3学期。 飼育委員ではない、友達の祥吾(しょうご)を誘ったら、 小屋へ来てくれて、運動場で私と、クロ・ココと、祥吾と遊んだ。 これがきっかけで祥吾とさらに仲良くなった。この友情は、まだ続いている。 6年生の1学期。 クロとココが忘れられなくて、また飼育委員会に入った。 そして今、6年生の2学期。 オスのクロが息を引き取った。最後まで、一生懸命生きてくれた。 ……… チャイムが鳴り、飼育小屋の前にいることを思い出した。 次は5時間目。授業に遅れたら大変だ。 私は飼育小屋を背にして走り出した。 クロ、ココ。君たちが残してくれたものを、きっと、明日へつなげるからね。 暖かい秋の光で、飼育小屋は、きらきらと輝いていた。
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