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5日後
恋愛対象が男であることを汀に伝えてから、自分の中でなにかが吹っ切れた気がする。このまま友達として過ごすうちに、汀への片想いもどうにか消化できるかもしれない。
そういうわけで、「中三のときのクラス会があるんだけど」と汀に誘われ、いつもであれば即答で断るところを「行ってみようかな」と答えていた。
「ええ!来んの!」
「・・だめなわけ?」
「いやぁ、珍しいなあと思って」
「たまには顔出すよ」
「雨が降るかもな」
「なんでだよ」
しかし、当日は雨どころか雹まで降る悪天候となる。
午前中はまだ小雨だった。買い物があったから早めに自宅を出て、用事を済ませてから汀と待ち合わせをした。
コーヒーショップで本を読みつつ待っていたが、昼が近づくにつれて雨脚がつよくなり、遠雷が聞こえたかと思うと一気に豪雨になった。
汀が到着したのは、まさにバラバラと音を立てて雹が降っていたときだ。
「すげえ濡れたぁ」
「こんな天気で今日あんの?」
「麻也もラインしろよ」
「今それ関係ある?」
「グループラインで繋がってたら、そんなこと聞かずに済むだろ」
「あー・・」
「今どしどし行けないって連絡きてる」
「あー・・」
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