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崙土は書斎を出て、リビングのテーブルの上に置いたタバコを咥えた。
晴れでもなく、曇りでもない様な空の光が、リビングの大きな窓から差し込んでいた。
その光にタバコの煙が線を描く。
「腹減ったな…」
崙土は咥えタバコのままキッチンへ向かうと、片手鍋に水を入れてコンロに掛けた。
今日は莉彩の顔を見ていない事に気付き、部屋の方を見た。
莉彩…。
ふと我に返り、キッチンの棚から買い置きしてあるインスタントラーメンの袋を出した。
リビングのテーブルの上の灰皿でタバコを消すと、沸騰したお湯に鰹出汁を入れた。
いつもの様にラーメンを作ると、その鍋を持ってダイニングテーブルに座った。
どんな時でも腹は減るか…。
崙土はそう考えるとおかしくなり、歯を見せて笑った。
そしてラーメンを食べ始めた。
食べ終えるとその鍋をシンクに置いて、書斎に入った。
そして机の上のキーボードを叩き始めた。
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