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見ると、奇しくも磯崎と同じパンプキンの仮装をした人間が、群衆をかき分け立ち去ろうとしているところだった。 「ま、待て!!」 コスプレをかなぐり捨てる時間も惜しく、磯崎はそいつの後を追う。 これでも脚力には自信があった。 「こら!!止まれ!!警察だ!!」 しかし目標は足を緩めることはなく、そのままどんどんと視界から遠ざかっていく。 磯崎も自慢の足で地面を蹴るものの、あちらの方が仮装に慣れているからか、動きが俊敏だった。 遠く離れたところから応援の巡査達が走ってくる。 あいつらを待っている暇はない。 磯崎は全力で急いだ。 体が悲鳴をあげる。 群衆はもはや彼方にあった。 それでも目標のパンプキン野郎は道路の角を曲がると、磯崎の視界から失せてしまった。 「くそっ!!」 磯崎も慌ててカーブを曲がる。 カーブを抜けた先には、三つに別れた道があった。 「どこにいった?」 どちらの道に奴は逃げたんだ? 惑っている時間はない。 そこにも町の中心部ほどではないとはいえ、いくつかの人だまりができていた。 磯崎はそのうちの一人を捕まえると 「カボチャ野郎はどこに逃げた!?」 と聞いた。 いきなり腕を捕まれたその青年は驚いたようだったがそれでもなんとか口を開いて 「ま、真ん中の道に走っていくカボチャなら見たけど」 「そいつだ!!」     
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