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朝。自分の部屋で身支度を整え役員専用の寮を出る。今日は食堂で朝食を取ろうと思う。
寮から食堂まで約10分。無駄に広い学園内を徒歩で移動する。
そして食堂の扉の前。一度立ち止まり深呼吸。扉を開き次にくるであろう衝撃に備える。
「「「…キャァァァァ!!!」」」
生徒達(男子)の熱い歓声が聞こえた。
すっごい声。毎朝ご苦労様です。つか毎度ながらキャァァァァって…。
ここ男子校だぞ?もう一度言おう。男子校だ。
「はぁ…藤堂様今日もお美しい…」
「抱いて…」
「やっぱり"王子"は違うよね!」
ちらほらと聞こえる声。
____そう。この俺、藤堂 朔都はこの学園において"王子"と称される。
茶色の髪にブラウンの瞳。最初は全体的に色素の薄い俺を指してつけられたただのあだ名だった。
それがいつの間にか全校に呼ばれる事になってしまった。
それも最初に"王子"なんて呼び始めた悪戯好きの双子のせいだ。
にこりと少しだけ微笑んで二階に上がる。ここにも役員専用とつけられる個室があるのだ。
生徒達の方から更に歓声が聞こえたが、それはスルーした。
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