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俺は一般家庭で育った生粋の一般ピーポーでありまして。この学園に来たばかりの時はなるべくお坊っちゃま達の中で浮かないように丁寧な話し方とかを心がけていたわけ。
それが丁寧すぎたみたいで生徒会役員に選ばれ、それを通じて知り合った双子に王子と呼ばれるまでになってしまった。
そこまで来たらもう実は意識して作ってたんです!!とは言えないじゃん?
て事で俺は今も王子キャラを演じている。
まあ、演じるっていってもそこまで苦痛ではないし。気ままなスクールライフを送れている。
『続いて理事長挨拶。香坂理事長、よろしくお願いします。』
おっと危ない危ない。またプログラムが進んでいた。ミヤに呼ばれて登壇したのは若々しい見た目の男性。
香坂 彰人さん。この学園の理事長。
20代後半にして学園理事長をつとめるスーパーエリート。
見た目を裏切らないイイ声に聞き惚れる生徒達。密かに教師の中で生徒人気がある。すげーな。
……先日の食堂での事やこの様子を見ればわかると思う。この学園は男が男に歓声をあげたり声に聞き惚れたりする、所謂ホモ校というやつである。
*****
そんなこんなで入学式が終わった。ただ今生徒会室。新入生達は教室に、役員達を除いたそれ以外の生徒は寮に帰っている。
「お疲れ様。」
ミヤの前に紅茶をおく。ミヤはダージリンの紅茶が好きで生徒会室のキッチンにたくさんストックしている。…生徒会室にキッチンがある事には突っ込まないで。
「ありがとうございます。」
ミヤは少し微笑んで受け取ってくれた。現在生徒会室には俺とミヤ、それから会長の3人だけ。
「おい、朔都。俺には無いのか。」
アー幻聴が聞こえるなー(棒)
「会長はずっと携帯見てただけでしょ。飲みたいなら自分でいれてよ。」
「あ?ちゃんと出席してやっただろうが。」
「それは当たり前だからね?しかも生徒会長挨拶も省いといて何言ってるの?」
「入学式なんて行事で俺の姿を見れただけ幸運だろ。新入生もさぞかし嬉しかっただろ。」
ダメだこいつ。
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