57人が本棚に入れています
本棚に追加
コンコン
ノックの音。偉そうに開き直る会長に反論しようと口を開きかけて、やめる。誰だろ。
「どうぞ。」
ミヤが扉に向かって声をかけた。
「失礼するわ。」
入ってきたのは腰元までのびた金髪に輝く瑠璃色の瞳の美女____ではなく美男子。
如月 椿先輩。三年生。
その麗しいみためと溢れ出る気品から非常に人気の高いお方。そして
「生徒会に報告よ。一年生が揉めてたの。うちの委員が仲裁に入ってるわ。」
オネエさん、でもある。
てか、ちょっと待て。
「管理委員が仲裁に?」
会長が怪訝そうな顔をして聞き返す。
管理委員とは親衛隊管理委員会の略称。如月先輩が委員長を務めている。うちの学園には会長や如月先輩のように生徒人気の高い人達が一定数存在する。そんな人達のいわばファンクラブが親衛隊だ。そして親衛隊管理委員会とはその名の通り親衛隊を管理、統率する委員会だ。
なので管理委員が仲裁といえば親衛隊がらみの事なんだが。今役員以外は寮にいるはず。学校に残っていても一年の教室に行く人はまずいない。となると、
「類と誠ですか?」
たどり着いた答えに如月先輩が頷く。
「ええ。一年の外部生が間宮兄弟と親しく話していたんですって。それで中等部からの持ち上がり組の親衛隊が外部生を注意したの。それだけなら良かったんだけどその外部生が親衛隊に言い返して収集がつかなくなったみたいよ。」
うわあ…親衛隊きっついな…その外部生も勇気ありすぎだろ…
親衛隊はこうなんていうか…オブラートに包んでいえば熱烈なやつが多い。だから基本的に親衛隊からの注意とか警告は流した方が楽なんだけどな。
最初のコメントを投稿しよう!