桜並木と僕と

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 観光客で混みあった桜並木の下を流れに沿って歩く。そうしていると、桜並木の途中にある看板に目がいった。観光客の多くがその看板の前で立ち止まる。  手書きの地図と文字。平仮名の多さから言って、書いたのは小学生。タイトルは「桜並木の案内図」。看板を見た観光客の会話が耳に入ってくる。 「これ、地元の小学生が書いたのか」 「よく出来てるわね」 「今度はこっちの桜並木に行ってみようか」  きっとこの地図を書いた子供達は、必死に桜並木の下を探索したんだろうな。歩いて、歩いた道を地図にして。地図の端っこには、桜祭りのイメージキャラクターまで描いていた。実に可愛らしい。看板は濡れても平気なようにと、ビニールのカバーがつけられている。  来年も再来年もこれからも、地元の子供達がこうやって春の祭りに関わっていくのかな。子供の頃はめんどくさく思うかもしれない。けど大人になればきっと、この桜並木を維持するのがどれだけ大切なのか、わかる日が来るはずだ。僕がそうだったように。  どうかこの桜並木が来年も再来年もずっと続きますように。子供達の描いた地図がとても可愛らしくて、スマホで写真を撮らずにはいられなかった。
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