0人が本棚に入れています
本棚に追加
観光客で混みあった桜並木の下を流れに沿って歩く。そうしていると、桜並木の途中にある看板に目がいった。観光客の多くがその看板の前で立ち止まる。
手書きの地図と文字。平仮名の多さから言って、書いたのは小学生。タイトルは「桜並木の案内図」。看板を見た観光客の会話が耳に入ってくる。
「これ、地元の小学生が書いたのか」
「よく出来てるわね」
「今度はこっちの桜並木に行ってみようか」
きっとこの地図を書いた子供達は、必死に桜並木の下を探索したんだろうな。歩いて、歩いた道を地図にして。地図の端っこには、桜祭りのイメージキャラクターまで描いていた。実に可愛らしい。看板は濡れても平気なようにと、ビニールのカバーがつけられている。
来年も再来年もこれからも、地元の子供達がこうやって春の祭りに関わっていくのかな。子供の頃はめんどくさく思うかもしれない。けど大人になればきっと、この桜並木を維持するのがどれだけ大切なのか、わかる日が来るはずだ。僕がそうだったように。
どうかこの桜並木が来年も再来年もずっと続きますように。子供達の描いた地図がとても可愛らしくて、スマホで写真を撮らずにはいられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!