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プロローグ
2歳の時に両親を亡くしたある少女は、兄と生き別れとなり、そのままある闇組織にひきとられ、「記憶」を消されてしまった。そしてその少女が物心ついたとき、初めておそわったこと。それは……「人の殺し方」、『死の唄』だった…。
そしてある雨の日、すでに7歳となっていた少女は、課された任務をこなすため、ある屋敷に潜入していた。そしていつもどおりあの『唄』をうたい、難なく任務をこなした少女だったが、体力もとうにげんかいだったのだろう。あろうことか別の街の援軍によって背中を斬られてしまった。その疲れ切った小さな身体にその傷はあまりにも酷で。少女はなんとか外れの森に逃げるも、ついに限界をこえたおれてしまった。そんな少女にみっつの人影が近づいてきた。ふわりとした金のかみの男が近づいたきていった。
「ねえ、この子怪我してるよ~?」
「いまどき珍しくもないだろう、ほうっておけ。」
そういって黒い髪の背の高い男がとおりすぎようとした瞬間、最後の人影がその少女の名を叫んで走りよってきた。本人さえ知らないはずの、『守名』をさけんで。
「歌羽ッッ!!」
最後の人影は、その少女の兄、龍羽だった。
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