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食堂
「ここが、食堂です。」
あれからお腹が鳴り続ける大野くんを置いてはおけず、一緒に食堂に行くことになった。
もうね、最っ悪。
「じゃあ、開けますね~」
『おう!』
最悪でも顔に出したらここでは生き残れない。
いやあ、生まれて初めてこの長い前髪に感謝したよ。
ガチャ
シーーーーーン…
おお、これは予想外…
『ん?なんでこんな静かなんだ??』
うーん、これは、静かっていうか…
『ほら、あいつが例の転校生だよ』
『うげぇ、臭そう』
『いるだけで空気悪くなるじゃん』
『あれは…視界に入れたくないね、』
『しかもマッシュと一緒じゃん』
『ダブルで不潔~ww』
そう、そこは悪口のオンパレードだった。
ここにいるお坊ちゃま方は、やたら綺麗な顔のおの子を好む。
だからか、顔が半分隠れてしまう長さの前髪が、不潔だと思う奴も多いようで…
な ん と も 気 分 が 悪 い
今日は食堂諦めるかなあ…
「…大野く『なあ!どこの席座る??』」
「え『あー!窓辺の席空いてるぞ!!』」
『あそこすわろ!!!』
そうキラッキラな笑顔を見せてくる大野くんを見てると、
「ふふっ、そうですね、そうしましょうか。」
もうどーーでもいいやって気になってきた。
本当に、不思議な人だなあ。
『っ///お、お前、意外と綺麗な目、してるな…』
あら、見えちゃってたか。
んーでも、
「こんなのは綺麗じゃないですよ」
『え、な「さーて、何頼みます?」』
この顔の秘密を知るのは、俺だけでいい。
…って、いやいやいや、なーーーに流されてんのさ!!!!!
このままじゃ!!!このゲームの攻略キャラと一緒じゃんかよ!!!!
流されるな紬…そう、俺はサポート役だ…流されたら死も同然…俺はヘタレなんだ…
そうぶつぶつ呟いていると、食堂の扉が開いた。
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