注意

6/8
150人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
『うおー!!でっけえ!』 冒頭に戻るが、俺は今、王道転校生、いや、王道入学イベントをこっそり見に来ている。 つーか、なんで俺がこんな高い木の上で見なきゃならねぇんだよ。 隠れ腐男子だっつうのに…。 「はぁ…」 「ちょっとなにため息ついてくれちゃってんのさ!」 「あはは、僕今ため息つきましたか??」 俺の隣にいるこいつは、オープン腐男子の佐野斗真(さのとうま)という男だ。 ちなみに俺の同室者。ちなみにイケメン。 あぁあと、俺は学園内では猫をかぶっている。 正確にいうと、キャラを全うしている。 こんなへなちょこが態度でかいと逆に目立っちまうもんな。 「さあ!もうすぐ王道シチュエーションが始まるぞ!!!」 「へえ、」 うそ。こんな興味無さそうな返事したけどうそ。 めちゃくちゃ楽しみだ。 「あ、副会長さん来ましたよ。」 「んんんなんだってっっっ?!!!」 あんた隠れる気あんのか。 ほ、ギリギリ聞こえなかったみたいだ。 『んー、こんくらいなら行けそうだな!!』 あ、でたあの超人並の運動神経でもん飛び越えるやつ。 といってもうちの門は軽く3mはあるからな。 いくら王道といっても3mは、 『っこらせ!』 とんだーーーー。もうオリンピック行けんじゃねえかこれ。 「すばらしいよ王道くん!!!さあそのまま副会長につっこむんだ!!!」 俺が覚えてる限り、ゲームが始まるのは理事長室からだ。 正直ここの展開はまったく予想できないな。 『ちょ!あぶな、!!!』 「っ?」 ドスンッッ あ、副会長避けた。 「あっるぇぇぇぇ?!!? なんでここは王道じゃないのおおおお!!!?!」 なんか横で発狂してるぞ。 「…―――が―――?」 うーん、副会長の声がまったく聞こえん…。 『おう!!おれが転校生の四月(よつき)だ!!!よろしくな!!!』 へえ、四月って名前なんだ。 てか王道声デカすぎな。 「―――、―――う。」 『おう!!!…てか!その笑顔胡散臭いぞ!!!やめろよ!!』 …お? 「っ、き―――。」 おお? なんか顔がだんだん近づいてるような、?
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!