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体よく閉じ込められたのだと判断し、しかたなく荷物を確認し始めた。とりあえず整理しなくては何も出来ない。
備え付けの本棚に資料を分類してしまっていく作業は単純だが、時間がかかる。だが集中してしまえば瞬く間に刻は過ぎた。
部屋が薄暗いことに気づき、慌てて時計を見れば……すでに夕方だった。
一応容疑者という立場なので、続き部屋の仮眠室で生活することになりそうだ。一通りの設備が整っている部屋を見回し、静か過ぎる研究室の椅子に腰を落ち着けた。
途端に疲れがどっと押し寄せる。
椅子によりかかる形のコウキが目を伏せてすぐ、インターフォンの音が響いた。
「はい」
応じた先で聞かされた内容に、コウキはがくりと肩を落とした。
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