04.不自由な自由

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 吐き捨てたコウキの不機嫌さを他所に、くつくつ喉を震わせて笑うロビンは上機嫌だった。  監視の男をちらりと見やり、座っていた椅子から立ち上がるとテーブルの書類を手に取る。数枚捲り、無造作に1枚を抜き出した。 「わかるか?」  試すようにコウキへ示された写真。  鉄格子の間から伸ばされた手の先で揺れる写真に誘われて、コウキは数歩近づいた。  青い瞳が捉えたのは、死体と目覚めた大学の研究所の部屋だ。コウキのいた位置を示す白い枠A、近くに転がっていた死体の頭が2つでBとC、胴体も2つあってDとE、最後に切り離された腕のF。そこでコウキは違和感を感じて眉を顰めた。  間違っていないが、何かおかしい。  はっきりとわからない違和感が苛立ちを誘った。 「犠牲になった羊の数は?」  被害者の死体は現場で見ただけで検死に立ち会っていない。髪が栗毛に近いブラウンの白人だった。頭と胴体が2つずつ、数は2体と答えるのが普通だ。  だが…この男がそんな単純な質問をするだろうか。  落ちていた指は白人でなく混血だった。  3体? しかし……。 「3体、か?」 「……なんということだ」  疑問を滲ませたコウキの答えに、連続殺人犯は大げさに天を仰いで顔を手で覆った。
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