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04.不自由な自由
「君の自由は、この研究施設内に限り保障される」
上司の言葉に深い深い溜め息が漏れた。
裏を返せば「この研究所以外をうろつくな」という意味だ。期限は告げられなかったが、容疑が晴れるまで出られないと判断した方がいい。
ロビンの管理人のまま、人生を軟禁状態で終える最悪の可能性もある……という意味だった。
時を越えることも容易ならざる人の身では、それは『終焉』を暗示している。
FBIは事件を公表していないが、死体の発見された大学の研究所は当然封鎖されただろう。運び出された研究資料は新たな部屋に積み上げられていた。
ドアの前で溜め息を吐く。
白い壁、白いドア。
見慣れた白は、病院の雰囲気に似ていた。
史上最悪のシリアルキラーを隔離する為に作られた建物は、政府直属の精神病院という体裁を整えられている。その為、外観はどこまでも病院だった。
一角に与えられた部屋は、コウキの気分を下降させる。
純白の壁と天井、リノリウムの床、アイボリーホワイトのカーテンやサンシェード。稀に観葉植物が彩りとして配置されているが、どこまでも殺風景な部屋だった。
「隔離か」
まさにその一言に尽きる。
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