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さて、ひとりで気儘にと思っていたら、のっけからいきなり8人ぶんもの食い扶持が増えちまった。これからどうしたものか。
人相の悪い手下どものおかげで通行人が激減した歩道を闊歩しながら、俺は愉しい気分で考えを巡らせた。
『なあ、若いの、人生は、そう捨てたもんでもないぞ……』
ああ、そうだな爺さん。たしかにそう捨てたもんでもない。
こいつらと一緒に、好きなように生きてみるのもいいかもしれない。
希望のお船でゆらゆらと
銀河の果てまでゆきましょう――
人生は一度きり。
なら、行けるところまで行ってみようか。
俺はキムたちを振り返って促した。
「行くぞ、おまえら。さっさと来い!」
「ヘイッ、隊長っ!!」
威勢のいい返事は、《首都》の街中で思いのほか気持ちよく、高らかに響きわたった。
~ End ~
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