07.告白

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 これ以上登ってしまったらどうなるのかと想像して梢は恐怖した。  そして、これまでの梢の推理が覆されそうな周の告白にも。 「俺は沙耶香が好きだった。付き合おうって言ったけど、受験があるからって断られたよ。だから最後に無理矢理キスした。俺も沙耶香と同じ学校に入るから、そしたら付き合おうって約束してね」  何ということだろう。  周がこの学校を目指した目的は尊ではなく、沙耶香だったとは。 「それからは頑張ったよ。柄にもなくね。成績も上がってきて、そうなると手のひらを返したように今の母さんが俺を見るようになった。それまでは視界にも入れたくないって感じだったのに。兄ちゃんに憧れてるから同じ学校に入りたいって言ったらそれは喜んだよ。初めてあの家に居場所を感じた」  そこで、周は浮かべていた笑顔をすっと消した。 「兄ちゃんが沙耶香を家に連れてくるまではね」  はあはあ、と息を上げ、意識が朦朧としてくる。霞んだ視界に5階の文字が見えた。もうすぐ屋上だ。梢は押しつぶされそうな胸の痛みに唇を噛んだ。 「驚いてたな。沙耶香は俺が兄ちゃんの弟だなんて思ってもみなかったんだろうね。中学の頃の話は言わないでくれって頼まれたよ」     
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