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「でもオーブってフラッシュの光が空気中の粒子かなんかに影響したものなんでしょ?」
オカルトが好きだと言いながら、意外と科学的なことを言うのだな、と梢は思った。
「そうですね。そう考えた方が理解はしやすいと思いますよ。でも、実際に霊っているから……写ってもおかしくないというか」
「ああ、ごめん! 別に梢ちゃんを疑ってるわけじゃないんだけどさ。俺、理科の選択化学なんだよね。心霊現象も科学的に解明したくなるというか」
確かに人間の脳は特定の磁気の刺激によって幻覚を覚えることがあるという。
つまり、刺激を受けた脳が、過去の記憶から実際にはないものを、あたかもそこにあるかのように見せてしまったりするというものだ。
だが、祖母の千里眼のような能力は過去の記憶ではない。本人が見ていないものを見ているのだから、やはり科学では説明出来ないこともあると梢は思う。それに、梢自身、しょっちゅう憑依される身なのだ。自分には記憶はないが、周りから散々多重人格扱いされたのがその証拠だと思っている。
「小嶋先輩、やっぱり頭いいんですね」
「この学校にいる生徒はそれなりに皆偏差値は高いでしょ。もちろん梢ちゃんも」
「私は倍率が下がってたから入れただけで――」
梢はそこで口を噤んだ。
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