稀にみる祟り

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今日は祭りだ。 と、早朝に目覚めた俺はそう思った。 神輿のことを考えるといても立ってもいられない。 それで、祭りといえば、はっぴに鉢巻き、そしてふんどしである。 俺は布団から飛び出すとタンスの前に向かった。 だが、それらお祭り三種の神器をタンスから取り出そうとして手を止めた。 今日も仕事である…ワッショイ 祭りは大好きだが、仕事は大切だ。 なにより今日は大事な会議があるのだ。 俺は悩んだ末に祭りと仕事を両立させることにした。ワッショイ まずは裸になりふんどしをしめた。 それだけで身体中に気合いが漲った。ワッショイ それから背広を着てネクタイを鉢巻き代わりに頭に巻いた。 そのあと台所で酒瓶を手に取り、酒を喉に流し込んだ。 そーれそれそれ祭りだぁー! 俺は大声で叫ぶと家を飛び出した。ワッショイ 途中、神社に寄って一踊りしてから駅に向かった。 駅では電車が来るまで三踊りし、さらに売店で酒を買って呷った。 祭りだ!祭りだー! 俺は電車に揺られながら踊り狂った。
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