0人が本棚に入れています
本棚に追加
参
春は好きだ。
桜が咲きその花びらを風がいとも容易く儚げに散らしてゆく。
それがとても綺麗で、美しく、見惚れてしまう。
一年で季節は巡り巡る。二年、三年と月日を重ねればもっとだ。その中でも、「春」という季節が見せてくれる毎回違った一瞬一瞬様々な顔が今年も、僕の中にある彼女の存在を思い出させ、僕の中にある「春が好き」という感情を彷彿とさせる。
彼女が亡くなったと知った時の感情はあの時のまま。色褪せることはない。あの時も。今も。此の先も。この春が好きという感情とともに僕の心の中にあり続ける。
幾ら願おうとも彼女はもう戻ることはない。
それならば、僕が此の先紡いでいく幸せを。自由を。感情を。
此のすべてを僕が守っていこう。
彼女と出会わなければ今の僕は此処には居ないのだから。彼女があの時儚げに笑い、泣き、散ってしまったから今の僕が此処に居るんだ。なら、その一瞬一瞬を守らなくちゃ。
未熟なままじゃだめだ。少しでも多くのものが守れるように。
そして、また今年も。。。。。。
「また散っていく」
ふと、僕の口から言葉が漏れた。。。。。。。。。。。
_________________________________________
此処までお読みいただきありがとうございます。
この話が読んでいただいた方々の胸に。記憶に残ればとおもいます。
では、また、次回作でお会いしましょう
赤神 仁
最初のコメントを投稿しよう!