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屋敷に戻ると、我を見たルーナが顔を真っ青...を通り越して真っ白にしていた。
仕事の時間も惜しいので我はさっきあった事を軽く説明し、これで満足だろと言うように一息ついた。
「それで・・・?」
「拾ってきた」
「馬鹿なんですか!?誰が人間を拾ってこいと言ったのですか!!それに人間をペットになんて・・・奴隷にでもするつもりですか!?」
「奴隷じゃない、ペットだ」
「本当に馬鹿なんですね!!」
本日何度目かのため息をはくルーナ。
人間も動物もあまり変わらないだろう、そう思う我をわかっているのかひと目見たあともう一度ため息をはいていた。
そんな様子を無視しながら、担いでいたソレを地面へぽいっと捨てた。
ベチンと音が鳴り響く。
「な!?何をしているのですか!!」
「?・・・部屋についたから降ろしただけだ」
「これは降ろしたと言いません!落としたのです!!」
「どっちも同じだろう」
「人間に対する扱いではありません!」
「ソレはペットだ」
「ペットに対する扱いでもありません!!」
今度は我がため息をついた。
すると、落ちたことで目が覚めたのか人間はもそりと動き始めた。
黒髪から覗き込むエメラルドグリーンの瞳、閉じていた口からは真っ赤な舌が覗き見しており何処か美しく感じる。
「う・・・あ?」
「目が覚めたようですね、大丈夫ですか?だいぶ音がなりましたけど・・・」
「・・・」
「あの?」
長い黒髪から覗いた緑色の瞳はルーナを無視しながら、キョロキョロと周りを見渡していた。
そして、のそりと動き始め...
「すぅ・・・すぅ・・・」
「「・・・」」
隅の方で眠り始めた。
流石の我でも言葉を失った。
ルーナの声が聞こえていなかったのか?と疑問に思ったが、目が覚めてまずルーナの方を見た事でそれは否定された。
聞こえている、見えてもいる...なら
「言葉がわからないのか」
傷一つない手足からは判断できないが、もしや奴隷なのではと考えたが首には何も無く、服も砂埃だけで引きちぎれた跡や使い古された感じはしない
つまり、奴隷でもない。
ならこの人間は何者なのか...
まぁ...
我には関係ないか。
我の考えも梅雨知らず、人間はグースカピーと寝息を立てて眠り続けた。
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