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ルーナは構い続けたがいくら揺らしても起きないので最終的には我もルーナも放置して仕事始めた。
と言ってもルーナは数分も経たないうちに何度も人間の方へ目をやる...まだ仕事に支障がないので放っておこう。
気づけば、日は落ち切って月が見えるほどの時間が経った。
「そろそろ寝るか」
「そうしてください、でないと私達の体力が持ちません」
「たった20日だろ?」
「貴方にはそうでしょうけど、私達にとってはもう20日です」
やっと休めると呟きながら早歩きで伝達しに行った
毎度の事ながら、我が休むと言わない限り部下達は休まず働き続ける・・・そのため、城全体に負の感情が溜まり仕事所ではなくなるのだ。
全く、耐え症のない輩が多いな。
とはいえ、椅子に座りすぎて身体が固くなってしまった我もたまには伸ばさないといけないな
寝る前に少し運動をするか
「うにゅ・・・ふぁ・・・ふ」
「あぁ、そういえば居たな人間」
「う?」
「寝るなら好きなところで寝ろ、我はもう行く」
「あ・・・う」
目を擦りながら何かを呟く人間。
"行ってらっしゃい"と言っているのか、言葉にならない声を発して人間はフラフラと歩き始めた。
あまり歩き回ると魔物に食われてしまうかもしれないが、我が構ってやる理由もないな...そういえば前もそう考えてペットが死にルーナに怒られたな...
城の内部を一回りして、部屋へと戻った我は軽くシャワーを浴びたあと、ベッドへと体を預けた。
ふと、生暖かいものを感じた。
「なんだ?」
上半身だけ起こすと、腹の上に先程フラフラと消えていった人間が我の上に寝ていた。
さすがに上で寝られては邪魔だ。
そう思い退かせようと手をあげたその時に人間はコロコロと転がり我の隣で眠った、目を開けていない所から寝返りなんだと予想する。
「そこなら・・・いいだろう」
そうして、今度こそ我は眠りに落ちた。
慣れない温もりに、不思議と違和感は感じなかった...むしろ少し、心地よい。
特別にそこで寝ることを許可しよう。
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