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ふと、温もりが無くなった様に感じて目が覚める。
横を見ると人間は居なく、部屋を見渡せば窓の外を覗いている人間がいた。
「・・・早起きだな」
「う?」
我が起きたのに気がついたのか、首だけこちらに向けて声を出す。
日に照らされる事で気付いたが、人間は思ったより汚れていた...この姿で同じベッドに寝ていたと思うと少し嫌な感じがする。
風呂に入れと言おうとしたがそもそも言葉が通じないのだと思い出し、仕方なく風呂に入れてやるとしよう。
...ん?ちゃんとペットを飼ってる感じがするな
我もやればできるのだから当然か。
「うぎゃ!?」
「あぁ、水のままだったな」
「ぬー・・・」
「服を脱がすぞ」
ついでにオスメスも判別しておこう。
そう考えて、我は人間の服を脱がした...そして、その背中にキラキラと光る羽根のような刺青を見つけた。
これは...
「お前・・・人間ではなかったのか」
「うにゅ?」
その刺青は"精霊の証"であった。
「まぁどうでもいいか」
「うぁ?」
「さっさとその汚い姿を綺麗にするぞ」
「うぇー・・・」
「_____で、拾った人間は人間ではなく精霊で自分のペットだし気にすることもないかと考えてそのまま風呂に入れたと??」
「そうだな」
先程の出来事をルーナに仕事の合間で説明すると膝から崩れ落ちた。
ルーナが落とした紙を人間...ではないのだったな、精霊が拾い集めていた(手伝ったのでは無く、気になり手に取っただけのようだ)
「魔王様、精霊とは何かご存じですか?」
「知っておる、高い魔力を持ち美しい姿を持つがゆえ人前に姿を表さずにゆったりと生活をしている生き物だ・・・補足するならそれ等に性別は無いという所だな」
「そうです、我々魔物と違い彼らは全く姿を表しません、珍しいものです・・・ところでコレはなんですか」
「精霊だな」
「・・・・・・何処をどう歩けば拾えるのですか!?人間ならまだ100歩譲っていいとして精霊はさすがにダメでしょう!?」
「あぁ、そうだ、まだ名前をつけてなかったな」
「魔王様!!聞いておりますか!!」
「____名前はミイにしよう」
「うぁ!」
ミイは元気よく返事をした。
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