贖罪

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 むかしむかし、小さな二人の子どもがおりました。  一人目は、小さな村の、長の子として生まれました。  しかし、ほどなく、騙し打ちで一族もろとも滅ぼされ、幼くして死んだ彼のその死骸は、深い谷底に打ち捨てられました。  一人生き残った父親は、怨念から外法を得、愛しい息子()赤い目(・・・)と金の髪をもつ、()として蘇らせました。  彼は、自らを蘇らせたその父親を喰らい、自分を殺した(かたき)を喰らい、そして『人食い鬼』を退治しようと、『殺意』を向けてやってきた人間たちを喰らいました。  ある時、彼の前に『慈悲』の感情をもって、立ちはだかる人間が現れました。  彼は、どうしてか、その人間を、喰らうことが、できませんでした。  その人間は彼の『師』となり、人間の為に働くよう、彼にさまざまな事を教え、導きました。  いつしかその子は、『善童鬼』と呼ばれました。
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