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あの日……私は、山を降りていました。
あの場には、居なかったのです。
帰ってきたとき、全ては終わっておりました。
「酒呑童子を討伐した!」と、意気揚々と人間たちが掲げた首は、まぎれもなく、善童鬼のものでした。
私は、初めて『絶望』しました。
そして、『後悔』の感情を知りました。
仇を討とうとも考えましたが、彼が生きて、やってきたことを考えると、そんな事はできませんでした。
……そして、私は、彼の『代わり』となることに、決めました。
善童鬼の名を汚さぬよう、生きて、参りました。
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