2_夕

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「……おなかすいた」 艶やかな黒髪、透き通るように白い肌、赤みがかった無機質な瞳。 見る者全てを惹き付ける美貌を持つその少年は、夕焼けに染まる校舎をただ一人彷徨っていた。 ……あ、あの人でいっか 前方に人、その他に生徒がいないことを確認した少年はゆっくり、ゆっくりとその人間に近付いていった。 ……もう少し、もう少しで 生徒が気配を消した少年に気が付けるはずもなく、 トンッ、 軽快な音が廊下に響いた瞬間、生徒はその場に倒れた。 「毎回手刀で気絶させるの、メンドイなぁ……」 何かをブツブツと呟いて、安堵の表情を浮かべた少年はそのまま生徒を引き摺って第2理科室へと入っていった。
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