3_遊

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「おっきろーーー!我が弟!!」 バァン!!!と大きな音を立てて兄ちゃんが入ってきた。 その音にビクリと少し体が揺れる。 ……きてしまった 実は、兄ちゃんに気付かれる前にアラームを止めて二度寝しようと計画していた。 しかし計画は失敗に終わったのだ。 「ほーらがんばれよ、遊」 そう言って兄ちゃんは僕の布団を剥ごうとする。 嫌だ……嫌だ…… 「兄ちゃん……僕、太陽浴びると死んじゃう……」 離れていこうとする布団をいやだいやだと必死に手で握り締める。 「死なねーよ」 僕の抵抗も虚しく、兄ちゃんに引っ張られた布団は呆気なく宙を舞った。 ああ、今日もつらい1日がはじまる………
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