プロローグ☆転生

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不注意で歩道橋の階段で足を滑らせた。 雪の下が凍っていたことに気づかなかった。冷静に考えれば分かりきったことだが、その時の俺は妄想に意識を集中しすぎたせいで、その当たり前に気づけなかったのだ。 勢いよく後ろに体が傾き、階段に全身を打ち付けながら転がり落ちた。途中気絶したのか、気づいたら雪の上だった。 やけに寒くて指ひとつ動かない。こんな簡単に死ぬんだな。 瀕死満身創痍の俺が出来ることといえば、目の前の真っ赤な雪を見つめることだけだった。
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