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プロローグ☆転生
右手で口元を隠しつつ、大きく欠伸をする。
暖房で温まった午後の授業は眠い。だからといって、どこかに思考を飛ばせるほど暇な内容でもない。
俺は矢崎 遥歌(やさき はるか)。高校2年生。世間は俺みたいな奴を平凡と呼ぶのだろう。
この平凡な日常に不満がある訳では無い。
しかし、非現実的なことをしてみたい気持ちはある。もちろん妄想もする。
例えば、才色兼備の漫画のようなキラキラした主人公になって生活する、とか。
こんな俺でも恋人は欲しい…好きな人いないけど。まぁ、そんなフラグが一切立つはずもなく、高校生活の半分が終わろうとしていた。
そんな俺に転機が訪れたのは、そんなことをぼんやりと考えていた冬の下校中のことだった。
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