銀の秘密

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銀の秘密

銀ちゃんに会ってから、僕は銀ちゃんの事ばかり考えていた。早く会いたかったけど、僕は幼稚園に行ってるから、普通の日は会えない…。銀ちゃんも学校に行ってるだろうし…。 月曜日から金曜日まで我慢して、土曜日の昼に兄ちゃんが遊びに出掛けると、僕も後を追うように家を出た。 山の麓の神社まで、力いっぱい走る。着いた時には、声が出せないくらいにしんどくて、何回か大きく深呼吸をした。 苦しいのが落ち着いてきて、何度か大きく息を吸い込むと、神社の奥にある山の入り口から、木々が生い茂っている先に向かって叫んだ。 「銀ちゃーんっ、凛が来たよ!」 こだまするように響いた僕の声が、だんだんと小さくなって消える瞬間、強い風が吹きつけて来て、僕はぎゅっと目をつむった。すると、後ろから少し低めの声が聞こえてきた。 「凛、元気にしてたか?」 「銀ちゃん!」 振り向いた僕は、銀ちゃんに飛びついた。そんな僕の頭に、銀ちゃんは優しくぽんと手を乗せる。 「銀ちゃん…凛、早く会いに来たかったけど、幼稚園に行ってたから…。銀ちゃんも学校?」 「ん?まあ、そうだな…。ところで、凛。おまえ、約束は守ってるか?」 「うん!ちゃんと守ってるよっ。凛と銀ちゃんの秘密だもん」 「よし、凛はえらいな。そんな凛に、もっといいもの見せてやる。ほら、俺の首に手を回してしがみついてろ」 「こう…?」
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