0人が本棚に入れています
本棚に追加
「雪うさぎ?」
ブラウンの大きめな眼をさらに大きく見開いた部長が、小さめの声で聞いてくる。
「…親子連れだ。スゲーよ、部長」
興奮で思わず声が大きくなる。
「シーー。ビックリして逃げちゃうでしょ!」
「あ、あぁ。悪い」
「もうっ」
幸い雪うさぎは子うさぎのお世話に忙しいらしく、こちらを気にとめることはなかった。
カシャカシャとカメラの乾いたシャッター音が連続で聞こえる。
どれくらい経っただろうか。粉雪だった雪は、次第に本降りになってきた。
「部長、雪が」
「そうね、あと少しだけ」
最初のコメントを投稿しよう!