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待ち合わせ
パラパラと粉雪が舞うなか、少女はカメラのファインダーを覗いていた。
「相変わらず熱心だね。部長は」
「追い込みだからねー」
「いつから?」
「朝から」
「はぁ?朝ーー?」
もう夕方だけど3日後に迫った新聞部の部内コンテストのための写真。
下手なものは、だしたくない。
「雪うさぎ来た?」
「……まだ」
「替わるよ。メシ食っちまえよ」
無愛想に差し出されたコンビニの袋の中には、あんパンとお茶が無造作に詰めこまれている。
「ありがとう。助かるよ」
「あぁ」
「あんパン好きなの?」
「普通だけど張り込みには『あんパン』だろ」
「そっ、そうなの?」
だからって買いすぎではないだろうか。余裕で10個以上はあるあんパンの群れを前に、わからないように軽くため息をついた。
カサッ
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