部屋のスミス

部屋のスミス ~発見~

たかしー！起きなさい！！！
　はぁい。
日々はルーティンだ。今日もとある親子の日常が始まる。母親に起こされた息子は眠たげな顔で制服に着替える。着替え終わったらリュックの中身をチェックしてリビングへと向かう。そして歯を磨き朝食を食べる。一方母親は部屋の中であたふたと家事をしている。
　たかし、食べ終わったら流しに入れて頂戴ね！
　へぃへーい。
　あと、洗濯ものあったら洗濯機に出してね！
　へーぃ。ごちそうさま。
そう言って食器を流しに入れ、部屋に汚れた服とリュックを取りに戻る。洗濯機に服を投げ入れ玄関に出る
　いってきまーす。
　いってらっしゃーい！
息子は学校へ出かけた。母親は食器を洗い、洗濯機のスイッチを押す。そして部屋の掃除を済ませ…おっと、電話がかかってきた。
　あら！よしこじゃない！久しぶりねぇ?……
掃除は一旦中止となってしまった。

「いやぁ、危ねぇ危ねぇ。もう少しで吸われる所だったぜぇ…あのオバサン毎日毎日よく掃除するなぁ。」
「ホントそれな！俺らを殺す気かっての！」
「夜には王国、朝には地獄…」
「あら上手ずね♪」
部屋の隅っこでコロコロと会話をしているのは部屋のスミスの住民HOKORI。彼らは部屋の隅に居住を置き人間と共に暮らしている。彼らもまた同じ部屋のムジナなのだ。