初めましての事件

3/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
外坂は今得た情報に納得しながらも、噂で聞いた話の中でまだ気になることがあることを思い出し、さらに質問を続けた。 「取り残された人がいるとか?」 「………ええ、ですが心配いりません。今救助隊員が中で捜索を行っています」 警官が自分の背後を指で示す。そこには数台の消防車、そして救急車が止められている。救急隊員、消防隊員が救助活動に当たっているのだろう。 「取り残された人間というのは誰なんですか? そもそも原因はなんなんですか?」 外坂は質問を続けようとしたが、それに対する警官の対応は冷たかった。外坂の体を押して、ビルから強引に遠ざけようとする。 「質問は終わりです。これ以上はお答えできません!さぁ、貴方は検査を受ける必要もありませんから! とにかく一旦ここから離れてください」 事故現場でいちいち質問に答えていてはキリがないというのはわかる。これが彼らの仕事というのも理解していた。ただ、外坂からしてみればそれは自分の会社の異常事態を把握できないということである。 外坂は再び現場に入ろうと動いたが、周囲の警官が固くガードしていて現場への侵入を許さない。     
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加