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序章 Where do we come from? What are we?
「午後5時現在のニュースをお届けします。本日未明に発見されました、頭部が粉砕されたAR(アンドロイド)の身元が、消防局員、安賀多康成さん役の個体と、保安当局の分析で明らかになりました。安賀多さんは数日前から行方不明になっており、犯行の手口から、この半年の間に多発しているAR連続損壊事件の犯人と同様との見方を・・・」
不意に男が倒れ込み、ニュースを流していた有機ELモニターを破壊した。倒れた男の背後には、黒いパーカーを纏い、顔全体をフードと面頬で覆い隠した怪人物が立っていた。右手にはフラッシュライトを着けた、真っ黒な拳銃が握られている。
「・・・ふぅ」
怪人物は、左手に握っていた端末を耳に当てた。
「ジャーニー、侵入出来たぞ。ターゲットの位置を教えてくれ」
応答したのは、若い女性の声であった。
「はいよ・・・ターゲットは・・・その建物の最奥の部屋で、パソコンをいじってる」
「パソコンか、それも押さえよう・・・というか、ここで行き止まりなのだが、その部屋へはどうやって行けば良いんだ?」
「目の前にある本棚が隠し扉になっているみたい、今開けるから待ってて」
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