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次の瞬間、本棚がスライドし、地下へと続く真っ暗な通路が出現した。
「上出来だ」
怪人物は臆することなく、通路へと足を踏み入れる。薄暗く、薄汚く、薄気味悪い道を、10mほど進むと通路は右に折れていた。
「ジャーニー、ここは一本道なのか?」
「監視カメラ、ジャック中・・・そうだね、だけど曲がった先に見張りがいる。拳銃で武装してる、気を付けて」
「了解」
怪人物は、隠れもせず、ふらりと角を曲がった。驚いた見張りは、固まってしまっている。その一瞬で、怪人物は銃口を向け、躊躇いなくトリガーを引いた。
吐き出された物体が、見張りの眉間へ食い込む。間を置かず、見張りの膝がガクリと折れ、糸の切れた操り人形の様に、その場に崩れていった。一連の出来事には銃声も、マズルフラッシュも無く、見張りの倒れる音だけが通路に響いた。倒れた見張りにスタスタと歩み寄る怪人物。見張りの眉間に針の様な物が刺さっているのを確認すると、満足そうに頷いた。
「よし、ど真ん中」
「うわぁ・・・いつもながら、それで撃たれるとえげつないわぁ・・・なんでそうなるんだっけ?」
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