異母兄弟と不定形

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異母兄弟と不定形

鎖で縛り上げられた四月一日は、八畳のマンションの一室にけり転がされた。 「何だ!魔法使いってのはあれか?!誘拐されて転がされるのか?!捕まる魔法か?!誘拐被害者の能力か何かか?!」 「ほう。この俺の部下に魔法を感じているのか。見る目はどこで得た?」 声のした方に振り返って、四月一日は声を上げた。 真っ白なスーツに身を纏った、何とも不快な御曹司といった有様だった。 部下が用意した一人がけの豪勢な椅子に、ハンカチで尻の辺りを払って座った。 「相変わらず嫌味ったらしいな。保孝兄貴」 「ふん。お前の吐いた息を吸う不快さに比べれば、どうと言うことのない話だ。紅葉を退けたのは褒めてやろう。ところで、お前に託されたものがある。どい言うわけか三つに分断されたものを、この俺が一つに纏めた。しかしだ。未だ一つが欠けているのか用を為さなかった。そもそも鍵がないと開かない。始、鍵はどこにある?紅葉のようにパンパンひっぱたくのはこの俺の趣味ではない。話せ。さもなくばこの俺の魔法がお前の体に聞くことになる」 この俺この俺うざい奴だった。昔から自己顕示欲の塊だった。その上、 「そのデカイ斧持った奴じゃないよな?!」 「答えなければ左腕だ。1センチ単位で短くなっていく腕を見れば話したくもなろう。
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