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黒色聖典はどこにある?その鍵は?」
「知らねえよ!お前の後ろで踊ってる真っ黒な人影は違うのか?!」
保孝が振り返るが何もいなかった。
「つまらん嘘だな。この俺を担げるとでも思ったか。腕を切り落とせ」
「嘘じゃねえよ!お前の後ろでダパンプしてる奴だよ!ちゃんと見てみろ!」
「この俺を馬鹿にするのもいい加減にしろ。この俺の背後でアフリカ踊りをしているだと?ふん。いないじゃないか」
「アメリカだ馬鹿!ほら!チュウチュウトレインしてんぞ!一人で!おまえ何だああああああ?!」
「やかましい!大人しく腕を切られろ!何だその猫は?どうやって入った?」
四月一日が見ると、赤毛の長毛猫が一匹。優雅に寛いでいた。猫がやおら起き上がり、軽く跳躍し、襟巻のように四月一日の首に巻きついた。首輪についたルビーが、キラリと光った。
顔を擦りよせ甘える猫に、思わず四月一日はこう言ったのだった。
「紅葉?」
「何だと?!」
既に魔法が発動していた。四月一日に巻きつく前に、魔法発動音が発せられていた。
マンションの床が、巨大な顎門に変わっていた。
保孝の部下が数人、顎門に沈んだ。
「猫だと?!何があった紅葉?!」
「貴方の知ったことではニャいわ。
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