卒業式前の聡

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たとえ学校が違っても。 大抵の進学先は地元だから。 カメラを持つ凛とした姿が一番、凛華らしいな。 ずっと見ていたい気持ち。でも、正面からは見られない。それは今日も変わらない。凛華が見つめる先にいるのは俺じゃないから。 桜吹雪の舞い散る中、集中してシャッターを切る凛華に声をかけたのは、俺の横にいたヤツ。家が近所で、幼稚園からずっと一緒だった、幼馴染だった。 「何撮ってるの?」 びっくりして、ファインダーから顔を離し、こちらを向いた。 少し赤い頬がきれいで、なんだかドキッとしたんだ。 何も言わず、カメラを構えてファインダーを覗く。 凛華と並んで同じ方向を見つめたのは奴だった。     
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