0人が本棚に入れています
本棚に追加
たとえ学校が違っても。
大抵の進学先は地元だから。
カメラを持つ凛とした姿が一番、凛華らしいな。
ずっと見ていたい気持ち。でも、正面からは見られない。それは今日も変わらない。凛華が見つめる先にいるのは俺じゃないから。
桜吹雪の舞い散る中、集中してシャッターを切る凛華に声をかけたのは、俺の横にいたヤツ。家が近所で、幼稚園からずっと一緒だった、幼馴染だった。
「何撮ってるの?」
びっくりして、ファインダーから顔を離し、こちらを向いた。
少し赤い頬がきれいで、なんだかドキッとしたんだ。
何も言わず、カメラを構えてファインダーを覗く。
凛華と並んで同じ方向を見つめたのは奴だった。
最初のコメントを投稿しよう!