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だから、山城君の横顔しか印象がない。
目鼻立ちがしっかりしていて、頭脳明晰。だから、密かに後輩から人気がある。
学年では、もっと目立つ、派手好きなイケメンがいるから、あんまり目立たない。
その最たる人が木村祐介。野球部の主将もして、高校はスカウトで大阪に行く人。
家が近くて、小さい頃からずっと一緒とか。
初めて見た時びっくりした。
3年前の入学式の時。
桜が満開で、どうしても写真を撮りたくて、早めに登校していた。
そこに、同じように真新しい制服を着た男の子二人が声をかけてきた。
正確に言えば木村君が声をかけてきたのだけれど。
声のほうを見ると、背も私とおなじぐらいだけれど、マンガから飛び手出来たようにきれいな男の子がよくしゃべる男の子と一緒にちょっと顔を赤らめて私を見ていた。
ドキッするから。
あっち向いてほしい。
私は急いでレンズを桜の木に向ける。
話しかけてきた男の子は私のすぐ脇に立ち、私がレンズを向ける方を並んで見つめ、あれこれ聞いてくる。
なんかうるさいこの子。
綺麗な子は私を見つめてる・・・というのはうぬぼれかな。後ろの桜をずっと見ていた。
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