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私たちは同じクラスで、木村君は席も近くてよく話をした。私は主に山城君のことを聞きたくて。木村君を追っていると、たいて山城君もいるから。本当に見たいのは聡なんだけど。
高校も当然地元で、できれば勉強を頑張って同じ学校に行けたら・・・と思っていた。同じ学校に行けなくても、最後のバレンタインで告白しようと思って、部活仲間のポジションをキープしていたけれど・・・・・
体調の波がはげしくて、バレンタインどころか、三学期に入ったら学校もあんまり行けなくて。早々に進学が決まったから遊んでる・・・と皆には言っていたけれど。
地元の学校に行きたかったな。
同じ学校でなくても、遠目で見ることはできるだろうから。
残念。悔しい。なんで私が?何で私だけが?
何度、心の中でつぶやいただろう。
何度、涙を流しただろう。
また・・・・涙が出そう。
瞬きをなんどかして、シャッターを何回か押した。
見下ろすグラウンドには、登校してくる生徒たちが多くなり、賑やかな声がしてくる。
「みんな・・来たみたい・・・・教室・・・行かな・・くっちゃね・・・」
普通に話すつもりだったけれど、声は鼻にかかり、かすれた。
涙が出そうなのがばれてしまったかな。
卒業式だから、もう泣いてもいいかな。
そうして私たち、学校の裏山を後にした
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