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私たちもいるわ
そう言いたげにゴロタヌキの周りを飛び跳ねる跳びウサギの親子に、頭の上にはクルクルトンボが目を回しそうな勢いで飛び回っているし、幹には数えきれないほどの手が沢山の影絵を作りだしていた。
「みんな… 」
温かい感触に視線を落とすと足元でハニーベアの赤ちゃんが大好物の蜂蜜を必死に舐めていた。
「ふふふっ きみも来てくれたんだね…」
そのふわふわの毛並に触れたくて伸ばした手はもう子供の手ではなかった。
「たーくん 準備が出来たね。 いまのたーくんならきっとアイツを倒せるよ!」
43歳の姿に戻るとペラペラの盾は重厚なものに、錆び付いていた鈍らな剣はピカピカと光り輝いていた。
「皆も一緒に戦ってくれるか?」
「もちろんさ! 一緒に倒そう!」
大きく頷く武弘は友達を取り戻しもう怖いものなど何一つ無かった。
「ああ! 行くぞー!!」
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