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「行くぞーーー!!」
握り拳を作った腕を高く上へと振り上げるとその反動で目を覚ました。
「… … …?」
森の中の景色が広がっていたはずの画面にはいつのまにかエンドロールが流れ、状況が理解できないままディスプレイを見つめた。
「夢か…。」
ポツリと呟いた言葉で急に現実に戻ると今だ上げたままの腕をどうにか誤魔化しながらゆっくりと下ろしていく。
「恥ずっ!」
時間を確認すると丁度始発の電車が発車する時間で、まだオフィス内には自分しかいないと知ると恥ずかしさから盛大なため息を吐いた。
あと何時間かしたらまたいつもの生活に戻る
今は静かなこの場所が人で溢れ騒々しさとストレスに包まれる
そう思うと一瞬で身体が気怠くなり、あの森で過ごした日々と大切な友達たちの事を想い起すと急にソワソワしだした気持ちを抑える事が出来なくてオフィスを出で駅へと急ぐ。
もちろん向かう先は実家であり、何十年も訪れていない懐かしの森。
今でもきっと皆が待っていてくれている
全てが上手くいく
そう思うだけで心が軽くなっていくのを感じた。
ーendー
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