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物語の構想も各キャラクター達もほぼほぼ出来上がっているし、追加のイベントだってアイディアが溢れ出るほどある。
なのに唯一武弘を悩ませているキャラクターがあった。
怪物のような出で立ちや冷血イケメン、悪魔のように角が生えていたり目を背けたくなるような醜い姿、それは男だったり女だったり子供だったり年寄りだったりと幾通りものキャラクターたちが光の中に映し出されていた。
それなのにどうしてもラスボスのキャラがしっくりとこず、彼の中では絶対無二の存在であり最大の恐怖でなければならないのに、ディスプレイに浮かぶキャラクター達はどれも理想とは程遠かった。
どのキャラクターからも心の底からの恐怖を感じるほどでは無かった。
どんなに醜く作り変えてもどんな怪物に作り変えても、誰もが恐怖を感じるほどのキャラクターが完成しない。
日に日に積もる苛立ちと焦りがストレスとなって武弘の胃をキリキリと痛ませていった。
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