0人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁぁー」
もう一度ため息を吐くとマウスを動かしゲームの一場面に切り替えると、目の前に映し出された景色は子供の頃に過ごした懐かしい場所だった。
「あの頃は楽しかったなー」
こんな大都会とは違い人口も少ない村のさらに山奥深くに住んでいた武弘が通っていた小学校の全校生徒はたったの6人、その中でも一人だけ家が逆方向だった彼は休みの日は1人で遊ぶ事が多かった。
野山を駆け巡り小川で魚取りや水遊び、楽しかったけどやっぱり1人は寂しくて… そんな彼の特技は見えない友達を作る事だった。
一日中ゴロゴロと木陰で寝ているゴロタヌキ
木々や岩に浮かび上がる大小様々な手の影達
いつまでも頭の数十センチ上を飛ぶクルクルトンボ
ゴロタヌキを必死に起こそうとする跳ねウサギの親子
その他にも目に付いたものは何でも友達へと変えていった
子供の想像力は逞しいもので、空想の世界の生き物が実際に見える様になると彼の世界は楽しい時間で溢れていった。
最初のコメントを投稿しよう!