1#雌イノシシ撃たれる

3/3
前へ
/29ページ
次へ
 「イノシシに近付くな!!噛まれて腕引きちぎられるぞ!!」  「来るな!!しっしっ!!」  街にやって来たイノシシ家族を発見した住民は、騒然としてパニックになった。  「見てください!!まだ迷惑イノシシが、こんなところにのさばっています!!」  遂に、テレビのリポーターまでやって来てしまった。  「やばいわ!!人間がワンサカとあたし達を取り囲んでるわ!!  もういいわよ!!山へ帰りましょうよ!!」  父イノシシのプーと瓜坊達は、母イノシシのプーコの危惧する言葉を無視して街に地面の隅から隅まで、鼻でまさぐって歩き続けた。  「ねぇ・・・どうして言うことを聞かないの?!」  母イノシシのプーコの言葉はまるで悲嘆に暮れるような口調になっていった。  「んーもぉーー!!」  その時、悲劇が起こった。  「坊やぁぁぁぁ!!」  2匹の瓜坊が、ハンターに撲殺されてしまったのだ!!  「見てください!!生意気なイノシシに正義の鉄槌が下されました!!  はははは!!人間を舐めるな!!」  テレビのリポーターはこの地獄絵図を、笑いながらエキサイトした口調でお茶の間に届けた。  「ぶふーーーーーっ!!ぷぎーーーーーーー!!ぷぎーーーーーーー!!」  「やめて!!プー!!あんたまで・・・」  母イノシシのプーコは、前に立ちはだかった父イノシシのプーに涙声で叫んだ。  「プーコ!!俺に人間を任せろ!!お前は俺に構わずここから逃げろ!!」  父イノシシは鼻息を噴き上げ、蹄を掻いて迫ってくるハンター達に立ち向かっていった。    母イノシシのプーコは逃げた。  後で父イノシシのプーが撃たれた銃声を聞きながら・・・  母イノシシは、元来た山へ逃げた・・・  だが、そこにもハンターが・・・  ダーーーーーーン!!  ・・・・・・  ・・・・・・  ・・・・・・  ・・・・・・
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加