絵を送る

国宝に挑戦するほどの勇気はないので、枚方菊人形からヒントを得て、何かしらキク科の花が、ええんじゃないかと思って、検索してみた。
そのうちゴッホのひまわりを模写しようと思っているので、何かそれっぽいやつないかなとさがしてたら、ガーベラという花が綺麗で、ひまわりっぽい形だったので、オレンジのガーベラを選んだ。
トイレに飾るんやから、適当に1時間ぐらいで描きあげた。
乾いてから、嫁に手紙を書いてもらい送った。翌日届いたみたいで、嫁にお礼のメールがあった。
「なんか仏壇の横に飾ってるみたい」
「えっ、マジで、あれトイレ用に描いたトイレクオリティの絵やのに。仏壇なん？」
「うん、仏壇。大事にされてるで。よかったな」
「いいのか、あんなんでいいのか」
「さあ、何の絵かもわかってないないんちゃう。次は11面観音菩薩かなんか、送ってあげたら」
「そんなん描かれへんって」
義理の母は熱心な仏教徒で自分でお経を読むくらいの人なので、たいそうな観音様なぞ描くのは、おこがましいと思われる。仏の魂にプロも素人もないのかもしれんが、仏花ぐらいが俺にはちょうどいい。
人様に絵をあげるのも、少し考えなければならんのかもしれん。喜ばれると思って、嬉しがってホイホイとあげていたら、余計なトラブルに巻き込まれるかもしれん。
でもちょっと待てよ。引退して1日16時間ぐらい絵を描く時間ができたら、国宝11面観音でもかいてみようか。それまで生きてるかしら。