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 長引く議論の末、ダールの中心部だったバルルの議会は、ビガーの提案を受け入れる決定を下す。  争いをつづければ、いずれどちらも滅ぶ。  反対意見にそのような意図を伝える議会だったが、南西の大陸サムトが謀反を起こす。  もともと好戦的な部族として知られたサムトは、隠密行動によりダールの主力部隊を掌握し、ビガーを奇襲。  ダールに埋め込まれるはずだった地殻破壊爆弾の起動回線を無効化すると、ビガーの地殻を破壊した。  サムトの暴走を残虐的行為と議会は批判する。  しかし、サムトはそれに反発。  今度はダール星内の争いへと発展する暗雲が立ち込める。  ついには、ダールの人々は分裂してしまう。  一個の惑星を絶滅させた咎を背負い、挙句に同種族での対立がはじまった結果、各大陸は互いの袂を分かつという道を選択する。  関わり合うことが、すべての元凶。  そのような考えから、4大陸は断絶する。  以来、ダールの4つの大陸は、近くにいながらもっとも遠い存在同士となった。  太古からの歴史を、立体映像をまじえて説明するヴィス。  その後、バルルは独自の発展を遂げて繁栄。  しかし、ほかの大陸の様子を探ることはタブーとされてきた。  広大な宇宙を駆け巡る技術を持ちながら、隣の大陸を訪れることさえバルルの民はできないという。  説明はされたものの、釈然としない態度の4人に、ようやくヴィスはこの星に連れてきた目的を告げる。  ダール星の各大陸を旅すること。  ヴィスはそれだけを4人に要請する。
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