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妹から拒絶された両親は、わたしと顔を合わせるたびに、決まって寂しそうな色をその目に浮かべていました。笑っていても、怒っていても、同じ表情のように見えました。両親はわたしに、ことあるごとに妹の様子を尋ねました。わたしは妹と両親の間を取り持つ存在に、いつからかなっていました。 あなただけが、あの子の支えなの。 あの子を見捨てないで。 あの子のために、お願い。 はっきりとそう言われたのは、わたしが中学校を卒業するすこし前のことだったでしょうか。 両親は、狭いお部屋だけに生きている妹がすこしでも楽しく過ごせるように、と思ったのでしょう。妹が求めるままに、様々な物を買い与えました。その結果、妹のちいさなお部屋は可愛らしいものであふれていました。ロマンティックな音楽を奏でるオルゴール、メリーゴーランドのオブジェがくるくる回る置時計、アリスと時計うさぎを描いた壁掛けのポスター、おもちゃの宝石が詰まったプラスチックの宝石箱。 妹の世界は、そうしてゆっくりと形をなしてゆきました。妹にとって、心地よいものだけで構成された空間は、夢の世界と呼ばずに、何と呼べましょうか。 * わたしは家の中にあなたを招き入れ、向かい合わせにテーブルにつきました。 ちいさな丸テーブルに、わたしは二客のティーカップを置きます。テーブルの上に薄く積もっていた白いものが、ふわりと宙に舞いました。     
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